HOME日経広告手帖広告料金メディアデータ日経広告賞デジタル入稿の手引き
日経広告手帖
バックナンバー
メディアデータ
日本経済新聞
日本経済新聞夕刊
日経産業新聞
日経MJ
日経ヴェリタス
THE NIKKEI WEEKLY
The Nihon Keizai Shimbun
人材募集広告
雑報広告ABC
広告料金
広告料金早見表
広告料金シミュレーション
広告手帖
話題を追って
【2008年7月号】

アスミック・エース エンタテインメント

新聞での広告展開と試写会の連動で、大きな手応えをつかむ

企業の管理職層に伝えたいメッセージ

 今回ご紹介します映画『明日への遺言』は、大岡昇平の実話に基づいた戦争小説『ながい旅』が下敷きになっていて、戦後処理として行われたB級戦犯として訴えられた岡田資中将の公判を中心に描いています。岡田中将は、第二次世界大戦中に名古屋を空爆した米軍の搭乗員2名を処刑した罪に問われ、臨んだ軍事裁判で責任を一身に引き受けるのですが、検察側からの半ば助け舟とも取れる誘導のかいなく、ついに死刑判決を受けこの世を去っていきます。
 平たく言えば上司の責任の取り方が大きなテーマになっていますが、私は初めて見たときに不祥事における経営者の不用意で無責任極まりない発言や殺伐とした夫婦関係・親子関係のことを思い浮かべ、ぜひ企業に勤める管理職の人、そして信頼できる記事を提供している新聞の読者に見ていただきたいと思いました。日本経済新聞社の営業の方からもその旨のプロモートがあり、本社と相談し経営者や管理職に閲読されている新聞である日本経済新聞の朝刊第2部名古屋支社版に特集広告を出稿することにいたしました。

主演藤田まことさんや制作関係者にインタビュー

 ちょうど1月下旬に岡田中将役の藤田まことさん、プロデューサーの原正人さん、監督の小泉堯史さんの3人が名古屋にいらっしゃるというので、3人へのインタビュー記事を第一の柱としました。3人そろって地方行脚されることはあまりないのですが、この映画に賭ける気持ちがそうさせたのでしょうか、精力的に取材に応じていただきました。インタビュー形式というのは昔からあるオーソドックスな手法ですが、三者三様の映画の舞台裏をじっくり読んでいただくことがこの企画の本旨であると考え決定しました。8ページの特集中、注目率の高い1面(全10段)・2面(全8段)・終面(全15段)という3ページにわたるカラー広告展開は、いま見ても非常に満足いく出来だと自負しています。

試写会で映画のパワーを感じる

 そして第2の柱として日本経済新聞とテレビ愛知の共催による一般試写会も実施しました。試写会というのは、多くの人に見てもらい口コミ効果でより多くの人を映画館へ呼び込むのが狙いですが、今回は新聞での告知広告とテレビでのスポット広告で、延べ5300人という大勢の方に応募を頂き、抽選で1000名の方に参加していただくようにしました。見終わった後の反響は予想を超えるものでした。通常、東海地方で試写会を実施すると、必ずといっていいほど21時の終演間近になると交通機関の時間を気にして何人かは会場を後にされるのですが、今回はエンディングロールが流れた21時過ぎになってもそうした光景は見られず、終演後に会場に拍手まで沸き起こるハプニングがありました。さらに主催者側に手を合わせて熱くお礼を言われて帰られるご婦人たちがたくさんいらっしゃいました。映画の持っている「チカラ」を実感した次第です。
 映画シーンそのものは至ってシンプルです。検察側と弁護側のやり取り、そして岡田中将の証言が中心で、裁判所からほとんど出ず、全編にわたって流れる、公判での中将の説得力のある発言と潔い姿勢、そしてその夫をじっと見守り続ける妻・温子(富司純子)の豊かな愛情表現(せりふは一言もありませんが)が銀幕を通じて観客にしみじみと伝わったのではないでしょうか。私は、ぼうぜんとして帰る観客の姿を見つめて、改めてこの映画の宣伝にかかわれたことを誇りに思いました。

質の高い映画を様々な人に伝えたい

 おかげさまで、『明日への遺言』の興行収入は6億円という大入りの数字を残すことができました。過去の小泉監督映画で成績が良かったのは、『博士の愛した数式』のおよそ12億円、『雨上がる』の7億5000万円の2作ですが、映画の内容から考えると健闘したと分析しています。名古屋地区においては全国シェアで8%から9%が通常の数字ですが、映画の舞台が東海地方ということもあってか、シェアで12%強(1興業平均で11%強)という結果をたたき出しました。久しぶりの本物の「劇場映画」だったからかもしれません。平日でも、50歳代から60歳代中心に映画館に駆け付け、観客動員数が落ちず、ロングラン興行となりました。ただ1つ残念なのは若い世代の方々(30歳未満)が2割ほどにとどまったことです。もし、機会があれば若い方々にもテレビ番組でもレンタルでも見ていただけたらと思います。
 最後に、インターネットの影響によるものかもしれませんが、「映画の宣伝」において軽薄に流される傾向があります。目新しさだけを求めた宣伝展開で予想以上に観客数が伸びることがある一方、質の高い映画をじっくりと時間をかけて宣伝することがなくなってきています。映画に携わる人、そして観客それぞれの立場で、映画を「診る」本当のプロが少なくなったように思えてならないのです。信頼度の高い日本経済新聞社には、映画や舞台、美術、音楽など文化的側面で深く広く読ませる紙面作りを強く要望したいと思います。

(中部地区宣伝責任者 ニッセンジャパン代表取締役 広江邦生)

広告日経朝刊第2部名古屋支社版全10段(2008・2・29)1面
広告日経朝刊第2部名古屋支社版全8段 2面
広告日経朝刊第2部名古屋支社版全15段 8面
目次に戻る前へ次へ