2008地球環境広告特集
別刷り特集で大プロジェクトから身近な取り組みまでを紹介
CO²削減にとって重要な年
2005年2月16日に発効した京都議定書の約束期間が今年スタート。7月には環境問題が主要議題になる主要国首脳会議(洞爺湖サミット)も開催予定で、温暖化ガス削減に向けて政府・企業・国民の意識はますます高まっています。こういった中、日本経済新聞社広告局では環境意識の高い読者に向けて、2月15日付朝刊第2部で、「2008地球環境広告特集」を掲載しました。
まず、1〜3面では政府としての取り組みを掲載しています。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次報告書や、国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)で合意されたバリ・ロードマップなど世界の流れを説明。日本における環境問題の現状や「クールアース推進構想」を分かりやすく紹介しています。また、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の事業や「チーム・マイナス6%」の取り組みなども掲載。NEDOは現在、アジア・太平洋地域を中心とした発展途上国で、数多くの省エネ・環境関連事業を推進、重要な国際事業を担っています。
この特集には、環境配慮製品やサービスが一堂に会する「エコプロダクツ展」や、子どもたちに環境への関心を持ってもらうための「日経環境授業」の模様も掲載しています。広告掲載後に行った日経ファクス調査では、「日本中の多くの小・中学校でこの授業を実施して、子ども・保護者・社会の意識を変えてほしい」(50代・女性)といった授業の意義を評価する声が多く聞かれました。
独自のエコ技術を紹介
今回は、環境関連の純広告が多数掲載されています。まず、1面のセイコーエプソンは、独自のインクジェット技術、「マイクロピエゾテクノロジー」を紹介。これは、狙った場所にインクを正確に打ち出し、豊かな色彩表現を生み出す技術です。この技術は、ものづくり現場の製造工程の短縮や材料の削減、省スペース、省エネルギーを実現、環境への負荷低減へとつながっています。日経ファクス調査の自由回答では、「インクジェット技術が環境にどう貢献するか分かり興味深かった」(50代・男性)など、高い技術を評価する意見が多く見られました。
総合商社の丸紅は、月島機械と共同で行っている「バイオマスからのエタノール製造技術」について説明。「社名とうまくリンクさせてメッセージしていると思い、印象に残った」(30代・男性)など、工夫を凝らしたクリエーティブに評価が集まりました。
最終面にカラーで出稿したモモ・アライアンスは、LED(発光ダイオード)照明の省エネを訴求。ビジュアルも美しかったのですが、「省」のコピーが非常に目立ち、「蛍光灯を使った“省”は印象に残る」(40代・男性)という声がありました。
家庭用燃料電池の普及を推進
今回の特集には、水素と酸素で発電を行い、CO²の排出量を抑えるクリーンエネルギー「家庭用燃料電池」の広告がありました。まず、荏原製作所の広告は、「電気もお湯も我が家でつくろう。」という大きなコピーが印象的です。「荏原製作所の広告が印象に残った。身近な事柄から“エコ”を考えることが基本だと思うし、企業のそのような取り組みに期待している」(30代・男性)という声もあり、企業姿勢への共感を呼んでいます。
また、東京ガスの「家庭用燃料電池設置者募集」広告は、文字と言葉のインパクトで読者の関心を引きました。「燃料電池も普及段階に来たことをうれしく思う」(50代・男性)など、燃料電池への興味は大きいようです。
金融機関だからできること
環境問題に関して金融機関は、「縁の下の力持ち」の存在です。間接的に環境関連企業をうまくサポートしています。三井住友銀行の広告では、温暖化ガスの排出権取引について取り上げました。三井住友銀行グループとして取り組んでいる「排出権紹介サービス」を、事例をもとに分かりやすく解説しています。「排出権取引の内容や銀行が取り組んでいることなどが分かり勉強になった」(女性・30代)という声も聞かれ、排出権の理解促進に役立ったようです。
三菱UFJ証券は、『「4つの危機」テーマ対象ファンド』を告知しています。金融機関として、地球の未来を支えるビジネスへの投資をしっかりとサポート。「環境危機の程度を信号機に例えたのが非常に効果的」(20代・男性)というように、斬新なクリエーティブが目を引きました。
また、非政府組織(NGO)世界自然保護基金(WWF)は、企業とパートナーシップを結び、CO²の絶対量削減を策定・実施していくプログラム「クライメート・セイバーズ」を紹介。今回の広告では参加企業のうち3社の削減目標を明記しました。この広告内容は、「どの企業がどれだけ削減したか数字で表しているので、説得力があると思う」(40代・男性)と、とらえられています。
記事体広告の利点をフルに活用
この特集では、詳しく内容を説明し、読者の理解をうながす記事体広告も見られました。まず、日本自動車工業会の広告は、運輸部門のCO²削減の現状や削減目標への3つのポイントを、データをグラフで示しながら分かりやすくまとめています。「京都議定書の目標達成に向けて、産業界が現状と今後の方向性を具体的に提示していて興味深かった」(50代・女性)など、具体性のある内容を評価した意見が見られました。
また、CO²削減の技術、実績で世界に冠たる具体的な事例を抱える川崎市は、阿部孝夫市長と、国連環境計画金融イニシアチブ特別顧問の末吉竹二郎氏の対談を掲載。川崎市の環境に対する取り組みは読者からも評価され、「川崎市はほかの自治体と比較して先進的な事例が多くありそうだ」(30代・男性)という声も聞かれました。
加えて、1月25日に行われた「環境的に持続可能な交通(EST)普及推進委員会」主催の「EST普及推進フォーラム」の抄録を記事体広告全15段にまとめています。専門家による講演やパネルディスカッションなどを通じ、ESTのあるべき姿や実務上のポイントをまとめています。「私たちの生活に欠かせない車の利用方法を見直すことにより、CO²削減に参加できると思っている」(50代・男性)など、この内容を自分の問題としてとらえる積極的な意見も見られました。
今回の3つの記事体広告はいずれもやや難しい内容でしたが、意識の高い日本経済新聞読者にきちんと理解していただけたようです。
小スペースを効果的に活用
今回の特集では、連合企画や雑報広告などの小スペースを効果的に活用する展開もありました。「エコ・テクノロジー企業特集」では、6社の広告を掲載。各企業の環境関連の技術を読みやすいレイアウトでうまくまとめ、「各分野の企業が様々な角度から環境問題に取り組んでいることを知った」(50代・女性)などの声をいただきました。連合企画を組むことによって、注目度がアップされたようです。また、雑報広告は第一の目的が何と言っても社名の認知です。今回1面の題字下は、日立プラントテクノロジーの掲載でしたが、「社名を初めて知った」(30代・男性)など、まさに意図した通りの結果になりました。
環境意識の高まりを再確認
今回のファクス調査の「企業の環境への取り組みに関する情報を知りたいか」という質問では、「とても(やや)知りたいと思う」が約87%もありました。多くの日経閲読者は環境関連の情報に関心を持ち、企業からの環境コミュニケーションを求めているようです。また、「環境への取り組みを知ると、その企業のイメージは変わるか」では、「とてもイメージがアップする」「ややイメージがアップする」の合計が約94%もの高いスコアになりました(図)。これらのことからも環境への取り組みが企業ブランドを左右し、各企業は今後も経営課題として力を入れていくでしょう。その他、自由回答では、「これだけ世界で地球温暖化が叫ばれているのに、この国の意識はまだまだ低い。今回のような特集を重ねることで意識の向上につながれば、と思う」(20代・男性)など、企画の継続を希望する声を多数いただきました。日経閲読者は環境問題に対する意識が非常に強く、真剣に考えた意見が多数寄せられます。
日本経済新聞社広告局では、今後も内容の濃い環境広告特集を継続していきたいと思います。
図
<調査概要>
| 調査名 |
日経ファクス調査 |
| 調査日 |
2008年2月15日 |
| 調査対象者 |
日経ファクスモニター (東京・大阪・名古屋の男女一般個人) |
| 設定数 |
東京350s、大阪150s、名古屋75s |
| 回収サンプル数 |
東京334s、大阪144s、名古屋73 s |
| 実査機関 |
日経リサーチ |
(広告局マーケティング開発部 村上拓也)
日経朝刊第2部(2008・2・15)1面
日経朝刊第2部(2008・2・15)2面
日経朝刊第2部(2008・2・15)3面
日経朝刊第2部(2008・2・15)4面
日経朝刊第2部(2008・2・15)5面
日経朝刊第2部(2008・2・15)6面
日経朝刊第2部(2008・2・15)7面
日経朝刊第2部(2008・2・15)8面
日経朝刊第2部(2008・2・15)9面
日経朝刊第2部(2008・2・15)10面
日経朝刊第2部(2008・2・15)11面
日経朝刊第2部(2008・2・15)12面
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