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【2008年4月号】

松下電器

働く女性を意識して広告表現を工夫
赤と白を基調に印象を強める

「いずれは欲しい」を「すぐ欲しい」にイメージ一新

 弊社がマッサージチェアの販売をスタートしたのが39年前。以来「いかに人の手に近づけるか」ということを目指してたゆまぬ機能進化を遂げてきました。またその一方で複雑なモミ技を繰り出すメカは大きくなり、腕・脚まで施療範囲が広がるにつれ本体サイズも大型化し重量も増し、日本の一般住居には入りにくいモノになってしまいました。
 普及率もここ10年ほどは14%程度から変わらず頭打ち状態で、コリのひどい年配層に限られた商品、というイメージが定着しつつあります。
 しかしながら30歳以上にマッサージチェアへの関心度を調査すると、「いずれは欲しい」と答える人が3割以上もいるという結果が出てきます。現に街のクイックマッサージ店などは若い人も含めて繁盛しており、マッサージに対するニーズはまだまだ多く存在していると考えています。
 この1月に発売した「アーバン・アイ」はこの潜在ニーズに対応するために、モミ機能をそれほど落とすことなく全体のサイズをひと回りコンパクトにし、部屋のインテリアを損なわないようなシンプルなデザインに仕上げました。
 また、従来のマッサージチェアは高級感を出すために「黒」を基調にしていましたが、それが逆に重々しい圧迫感を感じるという声も若い方に多く、今回は「白」や「赤」というカジュアルなカラーリングもそろえることにしました。マッサージチェアでありながら、個人用のリビングソファとしても十分に日常使いしていただけることを目指したものです。アーバン・アイの「i」は、「私」「インテリア」という意味を込めています。
 「アーバン・アイ」を訴求する前提として、まず我々が決めたことは「とにかく従来のマッサージチェアとまったく違う新しいステージの商品として打ち出そう」ということでした。重厚で高価でコリのひどい年配者が使う「あんま椅子」というイメージから脱するということです。もちろんこの商品の実際の販売先は若年から年配まで幅広く考えてはいますが。

働く女性をターゲットに

 そこで、広告のイメージ・ターゲットも従来とは違う層に思い切って絞ることにし、「都会のマンションに暮らす、働く30代の女性」と設定しました。街のマッサージ店には女性客の姿を多く見かけるようになり、女性の社会進出に伴い、肉体的・精神的なストレスに悩まされる人の数は増え続ける傾向にあります。彼女たちにフォーカスすることで、新しいイメージづくりにつながると考えたわけです。また商品機能としても「ロミロミマッサージ」というハワイの優しいマッサージ法がプログラムとして組み込まれていることもありました。
 広告にはとにかくあらゆる職業の女性を登場させ、ターゲットイメージを大きく示すことにしました。それと、製品の「赤」「白」を原稿デザインの基調として取り入れることで全体の印象を高める配慮も図りました。
 さらに、これまでの広告ではメーンに扱っていた機能的な説明は最小限に抑え、イメージ転換を図ることに割り切った広告に仕上げたつもりです。キャッチコピーの「日本経済を動かすあなたに、くつろぎを。」は、日本経済新聞の読者も意識して制作しました。

社内の意識が高まり、サイトアクセス数も増加

 ナショナル製品で30段というのは実は日本経済新聞では今回が初めてで、15段にするかという検討もありましたが、結局、最大のインパクトを狙うということと、この製品にかける社内的な意気込みの強さで最終的に30段の出稿が決まりました。事前の社内会議の場でも原寸大の原稿を見た営業幹部から思わず声が上がるほどのインパクトで、営業的なモチベーションアップにもつながりました。
 広告掲載後は相談センターへ機能や価格に関する問い合わせが多数寄せられ、またHPのアクセス数も通常の5倍程度まで跳ね上がりました。事後調査では、とくに印象度で高いスコアを獲得し、「赤と白のコントラスト」や「女性たちの写真」への印象の強さが際立っていました。
 個別には「最近の広告の中で一番インパクトがあった」「松下らしくない」「松下の印象が変わった」など、一様に狙い通りのレスポンスが得られたことは良かったと思っています。また、これらの意見は男女ともに年齢を問わず同様に頂戴することができ、結果的にはオールターゲットに届いたものと確信しています。

継続的なコミュニケーションの重要さを痛感

 マッサージチェアは購入まで足の長い商品ですので、販売数字は徐々に上がってきている状況ですが、今後も地道にコミュニケーション活動を継続し、よりニーズに応える新製品も次々に投入し続けることが大切であると思っています。その結果、マッサージチェアが一般家庭の定番になり、より多くの方々の心身のリフレッシュに貢献できるよう、今後も取り組みを続けていきたいと思っています。

(コミュニケーショングループ 宣伝企画チーム 参事 山田一郎)

広告日経朝刊全30段二連版(2007・12・21)22・23面
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