三越
テーマは「大人のかわいいを探しに」。
仕事もおしゃれも……新富裕層の女性に訴求
ブランド価値のさらなる向上を目指す
百貨店は、店頭で広くお客様に接していることもあり、自社のブランド価値の維持には敏感な業種だと思う。三越は、歴史の裏づけもあり、一定のブランド価値は社内外ともに認識されていると思うが、これをさらに維持向上させる意図をもって昨年春、本社経営企画部にブランド・CI推進室が設立された。
店頭以外にも、商品・環境・販売員と、さまざまなコンタクトポイントでお客様にブランドイメージを発信していくことが求められる中、その大きな課題の一つが、(1)三越のファッションのイメージを高めること (2)これからの消費リーダーと目される、新しい富裕層に三越の認知度を高めること、であった。
ファッションと言えば、最近の女性向け雑誌は、「モテ」を謳う若い女性向けと、グレードの高い大人の女性向けが二大勢力ではないかと思う。また、社内に目を転じると、百貨店業ということもあり、女性たちがおしゃれも仕事も、という感じで進化してきているのを肌身をもって感じる。一昔前のように、おしゃれだが仕事はいま一つだったり、仕事は出来るがなりふりかまわずという時代ではないのだ。
前述の(1)、(2)の課題に取り組む時、従来のお金持ち像とは異なるクラス感のある大人の女性と、働く女性たちに是非訴求したいと思った。媒体としては、通勤電車の中で広げている女性の増加にも後押しされて、日本経済新聞を選択することにした。
シリーズにしたかったので、テーマを設定する際に、これをお読みの各企業の皆様も、実感がおありかもしれないが、働く女性のファッションも、しばらく前の、肩肘張った黒っぽいスーツなどから、やわらかな素材や明るい色のニットやワンピースに変わってきていることを踏まえ、しっかり働く一方でフェミニンさを失わない女性を想定して「大人のかわいいを探しに」とした。
三越らしくない「ドキッ」と日経らしくない「ドキッ」
また、堅めの記事が多い紙面での存在感を強く表現するために、上期は、開いた朝刊に、エッと思わせる女性の美しい手足とそれに相応しい時計やアクセサリーを、下期は、三越各店の入口に必ず鎮座しているライオン像からヒントを得て、かわいい子供ライオンを「大人のかわいい」を体現するモチーフとして使用し、商品は、日本経済新聞を購読する、ある程度の収入のある女性に相応しい高質なものからチョイスしている。
掲載を開始して半年、読者の女性からは視認性・好感度・企業イメージのアップなどの項目において目覚しい評価を頂戴しているようである。日本経済新聞にカラーで女性の雑貨のクローズアップ、ということ自体も、従来の三越らしくなくて良いという、目論見(もくろみ)通りのお声も聞かれた。その意外性や従来のイメージを打破している点が、男性読者にとっても三越のプラス評価に繋がっていたら嬉しい。
日本経済新聞の読者は概して知性や情報感度の高い方が多いと思うが、女性読者も、収入の面、その収入を自分に投資するという面など、百貨店にとっては非常に有望な顧客である。今後も、この方たちに評価していただける魅力ある紙面を提供し、そのファッションのお役にもたちたいと心から願っている。
(経営企画部 ブランド・CI推進室長 坂井文枝)
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