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【2006年6月号】

クラレ

「企業は世のため、ひとのために存在する」
創業80周年を視野に入れた新しい広告戦略をスタート

きっかけは、〈クラリーノ〉の40周年

 昨年から今年にかけてクラレは、基幹素材事業の1つである〈クラリーノ〉の40周年と企業創業80周年の節目を迎えようとしていました。当面の課題として、12月に迎える〈クラリーノ〉40周年にどのような広告を打ち出そうか、という悩みを広報チームでは抱えていました。「おかげさまで40周年」というようなありきたりの広告であれば悩む必要もないわけですが、2006年6月に控える80周年以降の経営戦略等を視野に入れていくと、単純な「点」の広告ではなく、1本の「線」となり、やがて「面」ともなっていく新しい広告戦略のスタートとしても位置させることができるのではという結論に至りました。
 これまでクラレの広告といえば、いわゆるBtoBの考え方で、企業広告の顔つきはしているけれど、その届く範囲といえば大変限られた専門領域の読者を対象としたものでした。一度、原点に戻りクラレの技術や開発している素材、そしてこれから向かおうとしている研究分野などを見てみると、あらためて自分たちの作り出す「商品」は最終的に「ヒトの暮らし」に貢献できているのだという事実に突き当たりました。だから広告もBtoBだけではなくBtoC、つまり生活者の皆様にクラレという企業の中味をもっと理解していただくべきなのだ、そうした考え方が結果として、BtoCtoBとなり、ブランドの構築ということだけでなく、企業の持続的成長にもつながるという発想のシフトチェンジを行いました。

社員に向けて、自問自答する広告

 今でこそ、企業の社会的責任「CSR」ということが盛んに言われますが、クラレの創業者の大原孫三郎は、社会的意義のある事業とともに、孤児の救済や病院の設立、労働科学研究所の設立などの多くの社会活動に力を注いできました。倉敷の大原美術館をご存じの方も多いかと思います。「世の中のお役に立つ」「ひとのお役に立つ」その大原孫三郎のDNAが今のクラレにちゃんと引き継がれているのかどうか、〈クラリーノ〉40周年の広告は、クラレ社員全員へ向けての、経営の「志」が生き続けているのかという、いわば自問自答の表現でもありました。
 ほとんどの広告は「読者に届く」という前提で作られています。広告を送り出す側からすれば、苦心して作り上げているのだから当然、という理屈です。ところが、残念なことに、広告は当然のように「読者に届く」ということはなく、簡単に読者の目の前を通過していってしまいます。しかし、そのような中でも、確実に「読み、見る」層がいます。それがその広告主の関係者たち、社員であり、家族であり、取引先であり、株主であり、就職を希望している学生であったりします。こう考えると、企業広告は新聞というマスメディアを活用した社内報的な役割が大きいということになります。
 ところが、今回は、クラレとはおよそ関係のない方々からも多くの「お褒めの言葉」を頂戴しました。今回の広告によって、少しでもクラレのことを知っていただいた方々は、クラレの社員をこれからそうしたフィルターを通してみることになります。このことは、社員にとっても良い意味でのプレッシャーとなり、活動にも反映され、好循環を生み出していきます。これがスタートした広告戦略のいちばん大きな期待効果です。

すべての技術が、時代の課題と向き合うということ

〈クラリーノ〉40周年を序章とするならば、次の〈エバール〉からが本論となっていきます。
 かつて創業者の時代が、孤児の問題や労働問題を抱えていたように、今の日本が、世界が、地球が直面している多くの課題、それは環境であったり、高齢化する人口構成であったり、食の安全の問題であったり、医療・介護の問題であったりするわけですが、クラレの技術がどうかかわっていけるか、また関与できるか、その決意を「時代と、関係しています。」というメッセージにまず集約させました。その因数分解の第1弾が〈エバール〉という素材の話になりました。さまざまな用途のあるこの素材が、ここではノンフロン冷蔵庫に大変重要な役割を果たしていることを伝えています。さらに第2弾では〈マジックテープ〉を取り上げました。ここでは介護と自立という問題に、クラレも関係できていくという事実を紹介しています。
 クラレは6月に80周年を迎えますが、これから先10年の企業ビジョンを策定しました。
 それは、持続的に成長する多角的なスペシャルティ化学企業として、あくなき「創新」と卓越した「高収益」を世界に誇るクラレグループ、というものです。そして、そこにはクラレの企業文化として〜世のためひとのため、ひとのやれないことをやる〜というフレーズが添えられています。
 広告もまたクラレの生み出すひとつの商品という考えのもと、他の企業ではやれない広告をこれからも打ち出していきます。ご注目ください。

(IR・広報グループ 島本智之)

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