HOME日経広告手帖広告料金メディアデータ日経広告賞デジタル入稿の手引き
日経広告手帖
バックナンバー
メディアデータ
日本経済新聞
日本経済新聞夕刊
日経産業新聞
日経MJ
日経ヴェリタス
THE NIKKEI WEEKLY
The Nihon Keizai Shimbun
人材募集広告
雑報広告ABC
広告料金
広告料金早見表
広告料金シミュレーション
広告手帖
ケーススタディ
【2006年6月号】

エミレーツ航空

世界的な一流ブランド構築を目指して

 エミレーツ航空の上級副社長で、スポンサーシップ活動の担当役員でもあるマイク・サイモン氏は「スポンサーシップは単に認知率の向上だけでなく、強いブランディングを構築するため、また売り上げの向上に寄与するために、エミレーツ航空のマーケティング活動の最も重要な要素のひとつである」と語っています。
 1985年にリース機2機で創業したエミレーツ航空は、ドバイの国際化戦略のもと急速な発展をとげる必要がありました。中近東エリアでの小さな航空会社から国際的に評価される一流の航空会社になること。彼らはこの目標をできるだけ早く達成しなければなりませんでした。
 この方針を達成していくためにいくつかのステップが必要でした。まず、航空会社としての信頼性を構築するため、商品である機体に多くの予算を投下し常に最新鋭の機体での運行を実現しました。また国際的なエアラインであることの裏付けに、様々な文化的背景を持つフライトアテンダントを機乗させサービスの充実を図りました。商品力での競争性を獲得した後、路線の拡大というステップに入りました。もともと貿易の中継基地としての役割を持っていたドバイという特性から、まず中近東諸国、アフリカの主要な都市への就航を実現し、次はヨーロッパへ進出。富裕層の観光地としての地位をドバイにもたらすことに貢献しました。
 国際的な航空会社になるための最後のステップとして準備されたのがスポンサーシップ活動でした。単に「中近東のいい航空会社」という評価から世界的なブランドとして尊敬される一流の航空会社になるための重要かつ仕上げのプログラムとしてこの活動は位置づけられていました。スポンサーシップ活動を彼らは大きく2つに分けています。国際的な認知向上、ブランド力の構築に寄与する活動。もうひとつは就航地をとりまくローカルでのビジネス需要を喚起するための活動です。

確立されたスポンサーシッププログラムに注目

 様々なスポンサーシップ活動がある中で、エミレーツ航空はスポーツの分野に注目してきました。スポーツというカテゴリー自体が持つ強い伝播性も理由のひとつですが、最も大きな理由は、スポーツの分野にはマーケティング活動に利用できるスポンサーシッププログラムがすでに確立されているものが多いためです。エミレーツ航空がスポンサーシップ活動に力を入れ始めたのはこの10年ほどです。短期間に大きな成果を上げるためエミレーツ航空はそのプログラムを積極的に活用してきました。
 2003年2月、エミレーツ航空は航空会社として初めて、FIFAワールドカップオフィシャルパートナーとしての契約を発表しました。スタジアムの中や周辺で、コカ・コーラやアディダスなどの世界的なブランドと同じポジションでエミレーツ航空のロゴが掲出される。国際的な航空会社を目指す、という壮大なプログラムの最後の重要なピースのひとつがここに実現した瞬間でした。
 一方で昨年、エミレーツ航空は英国のサッカー一部リーグ・プレミアリーグに所属する「アーセナル」とスタジアムネーミングライツを含んだスポンサーシップを200億円という巨費を投じて複数年契約することを発表しました。この目的はローカル需要の喚起です。エミレーツ航空にとって英国は最大のマーケット。ここで生き残っていくため、年間を通して常にインパクトを与え続けられるスポンサーシッププログラムが必要でした。先述のマイク・サイモン氏は、プレミアリーグのTV中継でのブランド露出に大きな期待をしていると語っています。
 地域に対するスポンサーシップの考え方はきわめて明確です。エミレーツ航空にとって重要と思われる新たな就航地が決まると、その地域での認知向上のため、ブランドに対する信頼構築のため、就航前からスポンサーシップを展開することがあります。たとえば昨年、初めてのアメリカ大陸進出になるニューヨーク路線への就航が決まった際、彼らが取ったスポンサーシップ活動はとてもユニークなものでした。エミレーツ航空はヨットのアメリカズカップに参加するニュージーランドチームを買収しました。このチームは「チームエミレーツ」と名前を変え、アメリカズカップ進出をかけてルイ・ヴィトンカップを戦っています。このチームはおそらく勝ちあがり、チャンピオンであるアメリカチームと戦うことになるでしょう。全米が注目するその戦いのさなか、エミレーツ航空のロゴが大きく帆に掲げられたヨットがTV画面に映し出されることになります。
 ほかにも、紹介しきれないほどのスポンサーシップ活動を行っていますが、それらはすべてそれぞれの地域特性を精査した上で組まれるプログラムになっています。日本経済新聞に出稿した一連の広告はFIFAワールドカップオフィシャルパートナーであるエミレーツ航空のブランドを日本のお客様に向けて訴求し、信頼感や認知度の向上を目指しました。
 エミレーツ航空の壮大でかつ緻密な発展の過程のひとつとしてのスポンサーシップ活動は今後どのような進化をとげるでしょうか。今年4月、FIFAとの契約を2014年まで延長することが発表されました。こちらも総額200億円以上の契約です。このプログラムをどのように有効に利用していくのか、エミレーツ航空の今後の動向に注目していきたいと思います。

(株式会社ジェイアール東日本企画 吉野浩之)

目次に戻る次へ