広報・宣伝部長アンケート
毎年、本誌1月号では、巻頭で特集「広報・宣伝部長アンケート」の結果をご紹介しています。22回目となる今回は、国内で広告活動を展開している150社から回答をいただきました。「広告費4半期予測」(日経広告研究所)によると、基調判断として「2004年中は内需主導の堅調な回復が続く見通し。ただ、05年に入ると、減税効果の剥落などから、消費の伸びは減速に向かい、生産・在庫循環面からみても、05年中には緩やかな調整局面が訪れる可能性が高い。このため、設備投資なども徐々に減速し、05年の成長率は04年より低くなる」という予測です。また、「広告費合計(経済産業省『特定サービス産業動態統計』ベース)の05年1−3月期の見通しは前年同期比2.9%増で、増加スピードは落ち着いたものとなっていくと見られる」とのことです。
一方、このアンケートでは宣伝費を「(やや)増える」と回答した企業が2年連続で増え、昨年に続き今年も広告業界にとって明るい年になりそうです。2005年の広告動向を占うためにも、今回のアンケートは大変参考になります。
宣伝費増加企業は微増
まず、アンケートでは2005年の宣伝費の見通しを尋ねた。結果は、図1に示した通り、「増える」と「やや増える」合わせて27.9%と、前回の同質問における回答率(22.7%)を5.2ポイント上回り、微増ではあるが宣伝費は2年連続で増加の傾向が続くことになった。
経済環境は成長の速度をやや落としながらも引き続き堅調に推移している。バブル崩壊後の悪循環を脱し、国民総生産(GDP)や日銀短観といった経済指標も改善している。
東洋大学経営学部の疋田聰教授によると、「前々回までは悪い点ばかりが目についたが、前回はトンネルの向こう側に明るさが見える感じとなった。今回はほとんどトンネルを抜けきったということで、宣伝・広報担当者にも広告宣伝費の確保などの面で安心感が広がったのではないか。今や基調として安定成長に入ったという感じだ」と、この傾向を見ている。
図1 [2005年の宣伝費は?] |
[2004年の宣伝費は?] |
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コーポレートブランドの向上に高い関心
次に、自社の広告活動上、重視していることを尋ねた。結果は図2に示すとおりであり、「コーポレートブランドを高める」が58.7%で前回と同様1位であった。各企業が企業価値を高める方法を模索している中、コーポレートブランドは特に注目されている。日経広告賞のコーポレートブランド部門賞でも、近年レベルの高い作品が多く見られるようになった。単なるセールスプロモーション的な広告を出稿するだけではなく、ブランド価値向上のために上手に宣伝活動を利用している企業が増えているようだ。
また、「売り上げにむすびつける」(43.3%)、「企業イメージの向上」(42.4%)がそれに続く回答となった。企業の説明責任、コンプライアンス(法令順守)が求められることが多かったことも、回答を増やす理由のひとつであろう。
一方、「費用対効果」は5.4%ポイントの減少となった。疋田教授はこの結果から「宣伝部が広告に関して目先のことだけでなく、広い視野を持って広告本来の役割を考える余裕が出てきた。コーポレートブランドや商品ブランド力などもスコアが高いことから、短期的な広告効果を求めるばかりでなく、長期的に見て企業の業績向上に結びつけば望ましいと考えているようだ。今年は新聞広告が回復するチャンスと考えるべきだ。広告主は優れた提案を待っている状況なので、媒体社は面白い提案を増やしていくべきである」と指摘する。
図2 [広告活動上、重視していること]

広告効果の重要性
自社の広告活動に必要な情報として、どんなデータを活用しているかを尋ねた(図3)。「広告効果」が69.3%の方から挙げられ、前回と同様に第1位の回答となった。限られた予算の中で、社内での説明責任も果たさなければならないのだろう。第2位は「市場動向」が61.3%で4.8ポイントの高い伸びを見せた。第3位は「媒体データ」で38.7%であった。
また目立ったものとしては、「競合企業の動向」が昨年より5.9ポイントの増加、「商品売上情報」が6.1ポイントの減少であった。
図3 [広告活動に必要なデータ]

企業戦略を考えたクリエーティブ
自社における広告クリエーティブの重視点を尋ねたところ、図4のような結果になった。「企業戦略との整合性」(67.3%)が1位、「商品・サービスの訴求」(63.3%)が2位となり、順位が入れ替わった。3位は「企業イメージとの一貫性」(60.0%)であった。
疋田教授は、「新聞はインターネットのホームページを思い出させるリマインダー効果を持っている。人間はどうしても物事を忘れてしまうが、新聞広告は思い出すきっかけになっている。特に大きなスペースでなくても継続して出稿の頻度を多くすれば、そういった効果も期待できる」と見ている。
図4 [広告クリエーティブの重視点]

イチロー、松井秀喜の活躍
今回の最後の質問は「好きなスポーツ」と「好きな選手」を挙げていただいた。(表1)「好きなスポーツ」では、野球、サッカー、ゴルフ、ラグビーの順でスコアが高かった。野球を選んだ理由では「昔から慣れ親しんでいる」が多かった。また、サッカーでは、「スピード、連携プレイなど見ていて楽しい」「世界的な国境のないスポーツである」といった意見が多かった。
「好きな選手」ではイチロー、松井秀喜が圧倒的だった。この2人が野球人気(特にメジャー・リーグ)を牽引していると言えよう。精神力の強さと自分スタイルの追求を理由に挙げている人が多かった。
旧年中は誠にありがとうございました。誌上を借りて改めて感謝申し上げるとともに、読者の皆様に2005年のご多幸、ご繁栄をお祈りいたします。
(東京本社広告局マーケティング開発部 村上拓也)
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