JR貨物
「鉄道ができること」を環境広告でアピール。
CO2 排出権取引時代の対策をビジュアルで訴求
JR貨物(正式名称:日本貨物鉄道株式会社)は、全国一元の貨物鉄道会社として、昭和62年4月に旧国鉄の分割・民営化により誕生しました。
JR貨物は、各旅客鉄道会社が地域ごとに営業を展開しているのに対し、全国ネットワークで鉄道輸送を展開しており、日本全国を網羅する1万キロメートルの鉄道網を使って貨物列車を運行しております。
列車の運行は、15秒単位のダイヤグラムで正確に管理されており、しかもトラック50〜60台分の荷物を一度に運べ、お客様にとりましても良い仕組みとなっております。大手宅配便会社でも、長距離輸送のルートの一部に、このJRの貨物輸送を利用していただいております。ただ、こうしたことは、ほとんどの貨物列車は夜中に運行するので、なかなか一般の方にまで知られる機会が少なかったこともありました。
しかし現在、この「貨物列車」は「環境に優しい」というもう1つのメリットがあります。当社がこのような環境広告の掲載に踏み切ったのは、平成14年の秋でした。今回までに合わせて3回ほど、ほぼ同様の広告を掲載してきました。広告内容については当時の時代背景が大きく影響しています。
京都議定書の批准が引き金に
鉄道は元々環境負荷が少ない輸送モードであり、CO2 排出量はトラックの約17分の1で、エネルギー効率も非常に良く、走行時の窒素酸化物の排出量も少ないというメリットがあります。輸送ルートに鉄道が多く組みこまれるほど、CO2 の抑制効果は高くなります。
しかし、それまではお客様側の環境経営の優先順位が必ずしも高いとは言い切れず、セールストークとして「環境」の切り口はなかなか決定打には至らなかったこともありました。ところが京都議定書の批准が状況を変えました。この広告を最初に出した平成14年は京都議定書批准の年であり、排出権取引を行わなくても鉄道をご利用いただければCO2 を大幅に減らせるということを、世に広く認識してもらうことがこの広告の狙いとしてありました。
平成14年の秋に初めてこの広告を出したとき、環境問題への取り組みの先進企業からは高い評価を得た反面、ごく一部には「日本ではまだ排出権取引も始められていないのに、時期尚早では」という声もありました。しかし、ここ1〜2年で“環境”に関心を持って高く評価してくださるお客様が格段に増え、ご利用も着実に増えてきました。
「時期尚早ではないであろうか」というあの反応は、鉄道輸送が環境負荷低減に優れているという新しい概念に初めて触れた戸惑いの表れだったのかもしれません。
今回の環境広告は、新たな概念を作り出すとともに将来への前進の後押しとして、一役買えたのではないかと考えます。
(営業推進本部 営業部通運・
企画グループ 主席 吉井一郎)
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