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【2004年7月号】

オムロン

企業広告は「人と機械のベストマッチング」の訴求から。
人と機械のやさしい関係を親しみあるビジュアルで

 オムロンといえば、一家にひとつはある「電子体温計」「電子血圧計」を思い浮かべる方が多いことでしょう。ところが、会社の売り上げ構成を見てみると、ヘルスケアビジネスの占める割合は全体の8%です。実態は、製造現場向けの制御システム機器/サービス、家電製品/情報機器/車に組み込まれる電子部品/デバイス、駅や道路管理向けの公共情報システムなどの開発、製造と販売を行っている会社なので、製造業界において「センシング技術」と「コントロール技術」で知られている企業です。しかし、健康商品以外の製品について一般の方々がOMRONの名を商品上で目にすることは極めて少ないようです。

長い間の課題に挑戦

 コンシューマー商品の場合は、広告が直接売り上げに寄与するであろうことは一般的に理解されやすいのですが、いわゆるBtoBの企業にとって、広告の効果はいかほどか、あまり意味がないのではないかという意見も聞かれます。
 オムロンでも、ヘルスケア商品の広告効果は認められるものの、その他のビジネスに貢献できる広告とは何か、長い間課題となってきました。
 特にオムロンの場合は、過去の日経企業イメージ調査やその他の調査から、「知名度」や「親しみやすさ」はあるものの、事業の実態が十分に理解されていないという点が課題となっていました。また「オムロンってどんな会社?」と問われた時に、かつてはオムロンの特徴的イメージとして評価が高かった「技術力イメージ」や「成長企業イメージ」において、以前のような明確な企業イメージが薄れてきているという課題も認識されました。

「技術」と「成長」に焦点を絞った企業広告

昨年6月に新社長体制となり、これからの経営方針として「技術にこだわる経営」「成長構造の確立」が掲げられました。この際に、我々は「技術」と「成長」に焦点を絞った企業広告を作成し、訴求していくことを決定しました。
 そこで、具体的なクリエイティブ作業に入ったのですが、多岐にわたるビジネスや技術を統一して表現するのは至難の業でした。
 「オムロンを一言で表現すると……」「あの事業もこの事業も紹介したい」「こんな技術もあんな技術もあるのだけれど……」という議論を重ねた後、最終的には、工業社会の忘れ物である「安心」「安全」「環境」のニーズの高まりの中で、「オムロンはコアコンピタンスである“センシング&コントロール技術”で、“人と機械のベストマッチング”を具現化することを目指す」という企業メッセージを広告で表現しようという結論に至りました。
 「人と機械のベストマッチング」とは、今の時代は人が機械に合わせて機械を使用していますが、これからは一人ひとりの人間に機械の方が合わせてくれる関係(=ベストマッチング)にしていきたいということです。その時にオムロンは何で貢献するのか? このことを分かりやすく表せないかと思案した結果、コピーライターの仲畑氏が「誰でもつき合える機械ほど、すごい技術が隠されている」というコピーで表現してくださいました。このコピーは、意味するところが分かりやすいと社内外でも好評です。

温かでユーモアある表現

 まずはコピーが決まり、次はインパクトがあるビジュアルをどうするか……機械が人に近づく、機械が人を支える、機械が人のニーズに合わせる、そんな来るべき未来を感じてもらうために、「部品」や「コンポーネント」によって組み立てられたロボット型の機械を人間に対応する機械の象徴として登場させ、未来を担う子供が来るべき世界を眺め、その子供を肩車して機械が支えている様子を表現しました。機械にはセンシング&コントロール技術が集積されていて、人のニーズに対応します。子供を肩車したり、拡大鏡で子供のニーズを一生懸命観察しようとする愛嬌のあるしぐさで、新たな人と機械のやさしい関係を表現しました。
 広告調査結果によると、温かでユーモアも感じるビジュアル表現と簡潔なコピーは、文字の多い新聞広告の中でも高い注目率をあげ、オムロンの技術力や成長力に対して高い期待が示されていました。機械を表現するのに苦労しましたが、広告を見た方からは、「機械や技術に関しては、冷たく、堅い、難しいといった印象を脱し、優しさや温かさを感じて、より人間に近い存在になってくると感じた」というコメントを多くいただいています。
 今後の展開としては、さらに具体的な技術の紹介もしていきたいと考えています。

(広報部 劉 越)

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